役名 |
番号 |
台詞 |
※『』はモノローグです |
○星宮のモノローグ |
星宮は過去を思い返すように語る |
《BGM》my_last_wish STR |
星宮 |
01_01 |
『私と朱莉ちゃんの出会いは、まるでおとぎ話のようで。……あれは、秋のはじまり。病室の窓から枯れ葉が落ちるのを眺めながら、次の秋を見ることはないのかなって、そんな風に思っていたときの出来事』 |
《BGM》my_last_wish DWM |
○病室(夜) |
ベッドで本を読んでいる星宮、しかし突然咳がこみ上げて体を折る |
苦しそうな咳だが、彼女がナースコールを押す様子は見れない |
《SE》本を捲る paper_long |
星宮 |
02_02 |
(苦しそうな咳)(収まって一息ついて窓を見る)あ、流れ星 |
《SE》本を閉じる |
《SE》身体を揺らす(布) |
《SE》窓を開ける |
窓を開けて空を見上げる星宮 |
星宮 |
03_03 |
そう言えば、流星群が近づくって言ってたっけ。……(思い出して少し笑顔)星に願いを、なぁんて子供の頃あったなぁ。……星に願いを |
星宮 |
04_04 |
『期待なんてしてないし、叶うなんて思ってなかったけど、あの時の私は空を見上げて、指を組んで』 |
星宮 |
05_05 |
お願いします、神さま。私の願いを叶えて。もう一度、外を歩いてみたいの |
星宮が目を閉じ指を組むと、誰かの声が聞こえた |
それは周囲からの音ではなく、脳に直接語りかけるようだ |
神 |
06_01 |
よいだろう。その願い、聞き届けよう |
星宮 |
07_06 |
え? いまの、誰の声? |
部屋を見渡すが、誰の姿も見えない |
奇妙な状況に少しの不安を抱いていると、目の前が刹那と光り |
その場に中学生くらいの少女が現れた |
少女は直立しているが、目を開かない |
《SE》光る zyutsu_2 |
《BGM》autumnbell STR |
星宮 |
08_07 |
『うろたえる私の目の前が急に光って、小さな人型を作ると光が砕け散った。そうして現れたのは私より少し歳下の女の子』 |
星宮 |
09_08 |
え、えっと、これは |
神 |
10_02 |
それは星の欠片。お前の命が尽き果てるその時まで、そやつをお前に預けよう。好きに使うといい |
見えない相手との会話だが、ここで話を聞かなければと口を開ける星宮 |
星宮 |
11_09 |
好きにって……あの、どういうことですか? |
星宮 |
12_10 |
『誰もいない空間に呼びかけてみるけど、誰も答えてくれない。残ったのは私と、見知らぬ女の子』 |
星宮 |
13_11 |
ど、どうしよう |
《BGM》autumnbell DWN |
○タイトルコール |
《SE》ジングル jin_ep1 |
星宮 |
14_12 |
オリジナルボイスドラマ、星摘みのキセキ(ほしつみのきせき) |
朱莉 |
15_01 |
星摘みのキセキ(ほしつみのきせき) |
※軌跡+奇跡 |
星宮 |
16_13 |
『あの日から私の病気は劇的な回復をみせた。お医者さんたちはみんな首をひねっていたけれど』 |
○回想(病院) |
《SE》回想 Shortbridge25-1 |
主治医の部屋で母と一緒に検査結果を待っている星宮 |
主治医は納得のいかない顔をしてカルテを見て、しかし星宮たちに向き直った |
医者 |
17_01 |
そうですね、痛みもないようですし、家に帰っても大丈夫でしょう |
母 |
18_01 |
(感極まって)ありがとうございます、先生! (急かすように)ほら、順子もお礼を言いなさい |
星宮 |
19_14 |
(自分の体調がいきなりよくなったことに戸惑って)ありがとう、ございました |
医者 |
20_02 |
(真剣に)……なにかあれば、すぐ病院に来てくださいね |
母 |
21_02 |
もちろんです、先生 |
○家・リビング |
《SE》テレビ ※テレビの内容は後述 フェードイン |
星宮 |
22_15 |
『体が痛くないなら病院にいる必要はない。だから退院。なにもおかしくない。けど、あの日現れた女の子は――』 |
ソファーに座る星宮の横に三角座りしている朱莉 |
彼女の視線はテレビにくぎ付けだ |
星宮は声をかけようか迷っている |
朱莉 |
23_02 |
(テレビを見ていたが、星宮が自分を見ていると気づく)ん、どうした、星宮? |
星宮 |
24_16 |
えっと、朱莉ちゃん。テレビ面白い? |
朱莉 |
25_03 |
……面白い。初めて見る |
星宮 |
26_17 |
うーんと、お家に帰らなくてもいいのかな? |
朱莉 |
27_04 |
自分、星宮のモノ。神さまから言われた。だから星宮の傍にいる。おかしい? |
星宮 |
28_18 |
お、おかしくない……のかなぁ |
テレビから完全に星宮に意識を向ける朱莉 |
ぎゅっと服を掴む |
朱莉 |
29_05 |
今日はどこに行きたい? (少し得意げに)星宮が望むこと叶える。自分の役目 |
星宮 |
30_19 |
ええっとぉ |
星宮 |
31_20 |
『あの日から、私の体調はすごくいい。朱莉ちゃんが傍にいるときだけは。どういう理由かは分からないけれど。星の欠片って言われたけど、どう見ても人間の女の子だし』 |
答えない星宮に朱莉が首を傾げる |
朱莉 |
32_06 |
今日は行きたい所、ない? 家にいる? |
朱莉の言葉に星宮は朱莉の手を握りしめる |
せっかく体調がよくなったのだから、行きたい場所は沢山ある |
星宮 |
33_21 |
ううん、お外に行こう? せっかく歩けるんだし! あ、でも寒いから、いっぱい着込んでね? |
星宮がテレビの電源を切る |
《SE》リモコンを取る |
《SE》テレビの電源切る ※テレビ音声はここで消える |
《SE》リモコンを机に置く |
朱莉 |
34_07 |
自分、人間じゃない。気にする必要ない |
星宮 |
35_22 |
でもぉ、そのぉ……半袖で出て行くのは…… |
朱莉 |
36_08 |
おかしい? |
星宮 |
37_23 |
(自分がずっと病院にいて、いつの間にか季節が巡ってしまったことを思いながら)うん、もう冬になるからね |
○テレビの中の台詞 ※後ろで流れる効果音台詞です |
テレビ1 |
38_01 |
こんにちは、お昼のニュースの時間です。昨夜未明、F県の鳴月館(めいげつかん)にて男女合わせて4人の焼死体が確認されました |
テレビ2 |
39_01 |
本間(ほんま)氏の邸宅と言えば雪山で有名でしたが、なにかあったのでしょうか。現場に中継がつながっています |
テレビ3 |
40_01 |
はい、こちらF県の現場です。死亡が確認されたのは本間靖幸(ほんまやすゆき)、冴場巽(さえばたつみ)、芦屋結香(あしやゆいか)の三名で―― |
テレビ1 |
41_02 |
火事とのことでしたが、出火元は分かりますか? |
テレビ3 |
42_02 |
はい、あちらに見える温室が出火元ではないかとの見解があります。詳しくは調査中とのことですが |
テレビ2 |
43_02 |
1人だけ身元が分からないという話でしたが、そちらの確認は |
テレビ3 |
44_03 |
まだ確認ができていないようです。20代の女性のようですが、使用人ではないとのことです。この鳴月館はリコリスが有名で―― |
テレビ1 |
45_03 |
現場さん? 現場さん! っと、中継が途絶えてしまいましたね。ありがとうございました。――使用人ではないということは、遭難者でしょうか |
テレビ2 |
46_03 |
だとすれば不運なことですね。続いてのニュースです |
○商店街 |
《SE》道路 |
《SE》足音 コンクリ ×2 |
星宮と朱莉は手をつないで道を歩いている |
ふいに朱莉が星宮を引っ張った |
朱莉 |
47_09 |
星宮、あれ、あれ! 行こう |
星宮 |
48_24 |
あれって、喫茶店? この前も行ったけど、朱莉ちゃん気に入ったの? |
朱莉 |
49_10 |
あそこに行けば星宮、元気になる |
星宮 |
50_25 |
(ギクリとして)げ、元気になってるんじゃないよ? その、友達がね、向かいのコンビニでバイトしてて |
朱莉 |
51_11 |
ならコンビニ、行く? |
星宮 |
52_26 |
い、行かない! |
朱莉 |
53_12 |
? 友達、会いたくない? |
問いかける朱莉に表情を曇らせる星宮 |
星宮 |
54_27 |
そんなことないけど。でも……会えないから |
朱莉 |
55_13 |
? 会いたい人、コンビニにいる。のに、会えない? |
星宮 |
56_28 |
うん。コンビニの人ね、藤堂理沙ちゃんっていうんだけど。私が入院する前に喧嘩しちゃって |
朱莉 |
57_14 |
仲直りしない? |
星宮 |
58_29 |
……できないよ、だって―― |
遠くから学友が話しかけてくる |
会話もあまりしたことがない相手だったので俯いてしまう星宮 |
《SE》足音 コンクリ ×2 フェードイン |
学友A |
59_01 |
よーっす、星宮サンじゃん、久しぶりー! |
学友B |
60_01 |
ホント。ほしみー、元気してた? |
星宮 |
61_30 |
(少しぎこちなく)あ、久しぶり |
学友A |
62_02 |
星宮サンさ、いきなり学校やめるから、あたしらもびっくりしたんだよー? |
学友B |
63_02 |
そー、ほしみー来なくなってから藤堂もぐれちゃって、学校来なくなってさ |
星宮 |
64_31 |
え?! り、理沙ちゃんが? どうして? |
学友A |
65_03 |
知んない。わけきーても無視されたし |
学友B |
66_03 |
感じ悪くなったよー。てかほしみー、病気はもういいの? |
星宮 |
67_32 |
(戸惑いながらも)う、うん |
学友B |
68_04 |
(柔らかく本心より)そか、ん、よかったね |
心配されていたことに驚いて相手を見る星宮 |
学友たちは行くところがあるのか歩き出す |
学友A |
69_04 |
暇あったらさ、学校に顔見せに来いよ。みんな喜ぶし。んじゃね |
学友B |
70_05 |
からだ大事に、ね。またね |
星宮 |
71_33 |
(最初より親しく、相手に届くように声を出して)うん。またね! |
学友が去る |
《SE》足音 コンクリ ×2 フェードアウト |
星宮は手を振り、朱莉は星宮の後ろから少し威嚇している |
※星宮が最初、学友を怖がっていたのを感じ取っての威嚇 |
朱莉 |
72_15 |
(少し警戒した感じで)さっきの、誰 |
星宮 |
73_34 |
高校の友達……かな |
朱莉 |
74_16 |
学校やめた? |
星宮 |
75_35 |
もう、よくならないって言われてたから |
星宮 |
76_36 |
『だから別れようって言って、喧嘩したんだ』 |